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2003/09/13 (土)
渋谷旭屋で、木村剛『マニフェスト論争 最終審判』、佐伯啓思『砂上の帝国アメリカ』、ジル・ドゥルーズの『無人島』二冊。
ラモンテ・ヤングの"Der Zweck dieser Serie ist nicht Unterhaltung!"。それぞれCD2枚組のVol.1とVol.2、つまりCD4枚から成るコンピレーションで、「Poem For Chairs,Tables,Benches,Etc...」(60年)や「Well Tuned Piano」(64年)や「Bb Dorian Blues 28th/63」(63年)や「Tortoise's Dreams and Journeys」(66年)や「Drift Study」(68年)等々といったヤングの代表作の殆どをまとめて聴ける。といっても全てexcerptだしCDRだしこんなタイトル(「このシリーズの目的は保全することではない!」)だから多分ブートなんだろうけれど、それでも持っている意味があることは間違いない。なんといっても通販で1セットが30ドル足らず、両方でも60ドルという超良心的な価格で、本人のリリースを含むヤング関係の異様な高値にかねてから憤りを禁じ得なかった僕としては(といってもそんなに買ってないけれど。でも『Well Tuned Piano』のヤング本人による全曲演奏DVDはウン万円をはたいて泣く泣く買いました)喝采を送りたい。でも、これが日本のレコード屋で売られる時はやっぱり無茶苦茶な値段を付けるのだろうな。それでも買う奴がいるからいけない(この種のマーケットは高くした方が売れたりする本当に狂った世界だから)。
思わず徳田秋声の『あらくれ』を読み返してみたら、面白くて止められなくなった。
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2003/09/12 (金)
UAの2枚組ベストと、くるりのニュー・シングル「HOW TO GO」が届く。CD1のシングルA面集を聴いていたら、事務所にいた全員がそれぞれのUAにまつわる思い出を語り始めて(笑)、あらためて偉大さを思い知る。僕は一度だけ取材で会ったことがある。とてもクレヴァーでチャーミングなひとだった。くるりは淡々としながらもスケールの大きな叙情派ロック。ギターの音がとても良い。アルバムがますます楽しみになってきた。
西山君と一緒に、半野喜弘さんとミーティング。といっても、ここ最近は週に一度くらいのペースで会っているのだけれど。なぜかと言えば、10月末にSONYからリリースされる半野さんのニュー・アルバム『LIDO』のコンサートをプロデュースすることになり、その相談のためなのだった。半野さんには何度かHEADZのイヴェントに出演して貰っているし、事務所が出来て間もない頃からの知り合いでもあるので、この機会に是非ソロ・ライヴを作ってみたい。それに何よりも『LIDO』が素晴らしいアルバムなのだ。半野さんのこれまでの作品に較べると、かなり抑制された、ある意味ストイックとさえ言えるような作りなのだけれど、丁寧に磨き上げられた、豊かで美しい音楽が並んでいて、聴きながら僕はとても嬉しくなってしまった。
渋谷ブックファーストで、川端康成『文芸時評』(徳田秋声を非常に高く評価しているのが興味深い。そういえば岩波文庫の『仮装人物』の解説も川端だった)と塚原史『ダダ・シュルレアリズムの時代』(レトリズムについての章が読みたかったので)。
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2003/09/11 (木)
東北新社から、ある企業のプロモーション・ビデオの音楽をサンガツに頼みたいという依頼があり、同社のプロデューサーと顔合わせを兼ねたミーティング。映像はアムステルダム在住のグラフィティ・アーティストDELTAが手掛けている。90秒ほどの短い曲ということなので、秋からいよいよ制作を開始する予定のニュー・アルバムのレコーディング期間に一緒に録ってしまうことになりそう。
11月末に行うタウン・アンド・カントリーのジャパンツアーの東京公演の会場になる品川教会礼拝堂に下見に行く。現場を仕切る西山君とレーベル担当の荻原さんも一緒。シガー・ロスや畠山美由紀嬢もやったことがある場所。品川駅から高輪台の方に歩いて10分ほどかかるが、すごく雰囲気が良い。以前から半分冗談半分本気で「タウカンは教会とかでやりたいね」とか言っていたのだが、実現してしまうもんなんだなあ。この公演は完全なアンプラグドでやる予定。そして地方を含む全公演にはサンガツがフロントアクトで随行する。持ってきたタウカンの『5』を礼拝堂内で流してもらう。スピーカーからなので実際の音とは違うが、見事にハマって思わず陶然とする。早く見たい、聴きたい。とてもとても楽しみだ。
品川駅近くで三人でとんかつを食べて事務所に戻ると、この春にヘッズのアルバイトを卒業し某出版社に入社したノウエ嬢と、サンガツのコジマ君が遊びに来ていた。早速、コジマ君に教会のことと東北新社の話をする。ノウエ嬢の就職が決まった時、僕は自分の娘の結婚が決まったような(?)ショックと動揺を味わったものだったが、彼女も新しい職場で頑張っているようだ。早くエラくなってくれて一緒に本を作りたいと思う。
「INVITATION」の最新号が「80年代特集」。最近、各方面でエイティーズが流行中だが、これは僕とかとほぼ同世代の、80年代に青春時代を過ごした人たちが、いろんなメディアで現場のトップに立つようになってきた、ということが、かなり大きいのではないかと思う(「INVITATION」編集長の菅付氏は僕と同年齢だ)。まあ雑誌文化そのものが80年代的なものだとも言えるかもしれないが。中森明夫と宮台真司の対談がちょっと面白かった。僕は中森氏と慶應大学SFCの「ポップメディア史」という講義を前期後期で分担していて、といっても一度も会ったことはないのだが(受講もどちらかしか出来ないし)、対談の中で中森氏がSFCでも「感度のいい奴はリラックスとかを読んでいる」と言っている。ふ〜ん、そうなのか、そうなのかな?
「INVITATION」で僕は毎号ディスク・レビューを書かせてもらっているのだが(右のアーカイヴに随時アップしてます)、最新号はハルカリです。ハルカリ大好き!。この雑誌での僕のレビューの選択を一種の「外し」というか企画っぽく受け取る向きもあるようだけれど、全然ネタとかではなくて、いつも本気です。
NHK教育の「TOP RUNNER」に黒沢清が出ているのを偶然発見、そのまま見てしまう。黒沢さんの話はいつも面白い。実をいえば僕は『アカルイミライ』を皆が言うほど良いとは思えなかったのだが(でもそれは黒沢さんのせいじゃないのかもしれない)、まもなく公開される『ドッペルゲンガー』は滅茶苦茶面白くて、はっきり言って『CURE』と並ぶ、いや越える大傑作、黒沢清の最高傑作じゃないかとさえ思っている。8ミリ時代の名作『しがらみ学園』が少しだけ流れる。学生時代、はじめて見た時の驚きと(心地よい)戸惑いを思い出した。ところで『しがらみ学園』の主演が、最近DVDになって話題の『A』『A2』の森達也だってこと、なぜかあまり言われていない気がする。知ってました?
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