ハラランビデスは、1991年にアメリカ、テキサス州ヒューストンで(のちにオースチンに移った)、トムとクリスティーナのカーター夫妻によって結成された。基本的には、トムがギター、クリスティーナがヴォーカルとギターをそれぞれ務めているが、96年まではジェイソン・ビル(現ミグランテス)がギターで、2000年以降はヘザー・レイ・マレイ(元アッシュ・キャッスルズ・オン・ザ・ゴースト・コースト)がスティール・ギターで参加した、トリオ編成となっている。
ベースもドラムもいない、このいささか特異なトリオ・バンドは、音楽的にもきわめて独特な世界を持っている。ハラランビデスのサウンドは、アメリカン・プリミティヴなカントリーもしくはフォーク的なメロディと、アシッド・サイケ的な空気感と、実験的なドローン・ミニマリズムとが複雑怪奇に混交した、しかし実に美しく儚いものだ。クリスティーナの淡々としたヴォーカリゼーション(それは実際、唄というより声という感じなのだが、かといって技巧的ではまったくない)に、やはり淡々とした、だが異様な存在感を放つギターが絡みついていくさまは、何とも言えず魅惑的であり、ある種の中毒症状をリスナーに催させるほどの不思議な力を持っている。
彼らはアンダーグラウンド・ロック専門の老舗レーベルであるシルトブリーズや、自ら運営するレーベル、ホリー・アザーなどから、かなりの数の作品を発表しているが、特にここ最近は、タイム・ラグやエクリプスといった新しいレーベルからのアルバム(特にエクリプスからの2枚組LP"IN CR EA SE"は傑作)や、ホリー・アザーからのCDRによるライヴ盤限定リリース、あるいはメンバーそれぞれのソロ(全員がホリー・アザーからソロ・アルバムを出している)や別ユニット(トムはオーストラリアのダニエル・ジョンストンとも言うべきピップ・プラウドとデュオを出したばかりだし、クリスティーナとヘザーはスコーシズとしても活動中)など、驚異的なペースでリリースを続けており、それに伴って注目度も僅かずつではあるが増しつつあるように思える。
彼らのリリースは、まったくといっていいほど日本のレコード店では見かけないが、一枚でも聴いてみれば、きっとその妖しい魅力の虜になるはずだ。
2003/9/18追記:ホリー・アザーのリリースは、まもなくontonsonで取扱予定です。いずれも僅かな数のみの入荷なのでお早めに!
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