はっきり言って、僕はポスト・パンクとかニューウェーヴ・リヴァイバルとかいって騒いでいる連中は馬鹿か詐欺師のどちらかだと思っているのだが、もちろん中には面白いバンドもいる。たとえばこのユー・エス・エー・イズ・ア・モンスターだ。
ドラムス&キーボードのトムと、ギターのコリンの二人組で、どちらもヴォーカルを取る。こういう編成のデュオというのはライトニング・ボルトやヘラなんかと同じで、言ってみれば最近の流行であるわけだけれど(そしてその源泉にはおそらく日本のルインズがいるわけだが)、僕は彼らがもっとも気に入っている。テクニカルに攻めるか乱暴さだけで売るか、どちらかしかないのかと思える至ってシンプルなフォーマットで、良い意味でのはぐらかしとヒネりに満ちたサウンドを追求していると思えるからだ。
最初に聴いた時に、すぐ思い出したのは、ディス・ヒートだった。あれほど陰鬱ではないし曲の構成も複雑ではないけれど、演奏のアップダウンに比べて妙に淡々として無愛想なユニゾンの歌声が、四半世紀前のリアル・オルタナティヴ・バンドをどこか彷佛とさせるのだ。かと思えば、ジョン・ゾーン仕込みのマイク・パットン風味も匂う。もちろんネイキッド・シティも(もちろんあれほど上手くないが)。一時期のボアダムズも入ってるな。なぜか初期イエスもいるし、メイヨ・トンプソンも、ディープ・パープルも聴こえてくる。
こう書いてくると、いかにもポスト・パンク的な、やたら影響受けまくりの青二才という感じがしてしまうかもしれないが、そのブレンド具合に、かなりの個性が感じられるのだ。思いつきで後先考えずに展開していっているような、むりやりな感じ(笑)もなくはないのだが、そこにも独特のユーモアがあって、好感が持てる。特にキーボードの使い方は、かなりセンスが良いと思う。
ライトニング・ボルトで有名なロード・レコードからの"TASHEYANA COMPOST"が最新作で、これから聴くのがいいだろう。それ以前に出ていたシングルとアルバムをまとめた"CITIZENS OF THE CRONIC"もオススメだ。ちなみにニューヨークはブルックリンのバンドです。
(初出:CROSSBEAT)