ザ・シー・アンド・ケイク
"
グラス"
THRILL JOCKEY JAPAN/HEADZ
ロングセラーを続ける『ワン・ベッドルーム』とは、また一味違ったミニ・アルバム。ポスト・エレポップ的新曲にステレオラブとブロードキャスト、そして何とカール・クレイグのリミックス、更に日本盤のみライヴ3曲にプロモ・ビデオが追加。ギッシリです。
ニプリッツ
"講堂ブギ"
HOREN
今更書くのも気がひけますが、ニプリッツは頭脳警察、だててんりゅう、裸のラリーズの元メンバーであるヒロシが現在率いているバンドで、これが3枚目です。ルーズなロックンロールの隙間から漏れ刺す鋭い叙情と逞しい詩情。「いとこにキッス」は最高です!
MAS
"turn"
FLYREC
マイペースながら要注意新人を次々送り出してくるFLYRECから初のバンド。打ち込みand/orドラムス+ベースによる柔軟なリズムに、トランペット、サックス、ギター、ヴォイスなどが多彩に重なって描き出すリリカルなサウンドスケープ。非常に新鮮な音です。
LAZARUS
"Songs for an Unborn Sun"
TEMPORARY RESIDENCE
絶好調と言えるテンポラリー・レジデンスより、またもや素晴らしい新人。元タレンテルのトレヴァー・モンゴメリーによるソロ。淡々とした、だがすこぶるエモーショナルな歌と、やはりシンプルだが異様に劇的なサウンドは、まるでレナード・コーエンのよう。
GLENN BRANCA
"The Ascension"
ACCUTE/CARPARK
ニューヨークのアンダーグラウンド音楽のミッシング・リンクを踏査するカーパーク傘下アキュートより、異形のミニマル作曲家グレン・ブランカの81年作品のリイシュー。ソニック・ユース始動直前のリー・レナルドも参加したノイジイなギター・アンサンブル!
STATE RIVER WIDENING
"Early Music"
ROCKET GIRL
はっきり言って元気なだけや泣いてるだけのポストロックやスローコアには飽き飽きしてますが、これは良いです。ニック・ドレイク・ミーツ初期トータスとも評されるロンドンのトリオ。気持ちのいい風が吹き渡るような演奏。蒼さがそのまま魅力でもあります。
二階堂和美
"また 落としましたよ"
POET PORTRAITS
前作を聴いた時は天然ぶりと技巧のバランスを取りかねているように思えたんですが、これを聴いて納得、天才だわ、この人。何というか、歌うことの深さ豊かさと共に、そのナンセンスさをも知り尽くしてるとでもいうか‥‥コケットにして哲人、無敵の歌い手。
THE HIGH LLAMAS
"Retrospective Rarities and Instrumentals"
V2
ハイ・ラマスの2枚組ベスト。1枚目には過去のアルバムからセレクトした全16曲が、2枚目にはレア音源(日本盤のボーナス曲も多いが)とインストが15曲。ショーン・オヘイガンの濃厚で屈折した愛すべきポップ・マエストロぶりが堪能できます。で、新作は?
TERMINAL 4
"When I'm Falling"
TRUCKSTOP/ATAVISTIC
シカゴ・シーンの重鎮チェリスト、フレッド・ロンバーグ・ホルムが、トロンボーンのジェブ・ビショップ、ベースのジェイソン・ローブケ、タウン&カントリーのギター、ベン・ヴィダを従えたカルテットの二作目。まさにタウカンを硬質にしたようなサウンド。
ALASDAIR ROBERTS
"Farewell Sorrows"
DRAG CITY
ドラッグシティだけどスコットランドのバンド、アペンディクス・アウトのフロントマンによる初ソロ・アルバム。メランコリックな美しさに満ちた、スコティッシュ・トラッド的な楽曲(カヴァーを含む)をシンプルなバッキングに乗せてやってます。泣けます。
SOFT MACHINE
"BBC RADIO/1967-1971"
HUX RECORDS
これは驚きました。ソフトマシーンのBBCセッション音源なのですが、いきなりロバート・ワイアットとケヴィン・エアーズが一緒に歌ってます。その後もソフツ第一次黄金期の溜息が出るような演奏が次から次へと登場します。カンタベリーの粋を聴ける2枚組。
NIOBE
"Tse Tse"
SONIG
ニオベことイヴォンヌ・コーネリウス嬢がトムからマウス・オン・マーズのソニグに移籍して放った新作。よりミステリアスに、よりアバンギャルドに、よりポップに、先の読めない変化を遂げる電子音響と、可愛らしくもオソロしい歌声。ちなみにかなりの美人。
VERT
"Small Pieces Loosely Joined"
SONIG JAPAN/HEADZ
ソニグからもう一枚。ヴァートこと英国人アダム・バトラーの通算3作目。ジャズ、クラシック、アンビエント、エレクトロニカを自在に混合しつつ、けっして難解な音にならず、仕上がりはあくまで洗練されてます。卓抜なアイデアと冴えたセンスが伺える秀作。
OTOMO YOSHIHIDE'S NEW JAZZ QUINTET + TATUSYA OE
"ONJQ+OE"
P-VINE
企画を知った時はやはり???だった大友良英ニュージャズ・クインテットと、キャプテン・ファンクことタツヤ・オオエのコラボレーション。しかしこれは結果として大成功でした。生演奏=肉体性と電子音=抽象性がクロスして、新たな次元へと聴き手を誘う。
TEST PATTERN
"kaki"
REV-NODE RECORDS
岡山を拠点に活動するインスト・バンド、テスト・パターンのセカンド・アルバム。軽快さの内に熱情を、爽やかさの背後に好ましい屈託を秘めた、真に肯定的な意味でのポスト・ロック。若くもなく老いてもいないエイジレスな魅力。アートワークも素晴らしい。
V.A.
"Branches and Routes"
FATCAT RECORDS
リリースごとに好き嫌いはあれど、全体としては間違いなく現在、もっともアクティヴなレーベルと言える英ファットキャットの2枚組コンピ。シガーロス、ムーム、グラッブス、フェネス、キッド606、ビョーク、マトモス、ブラックダイス、チーム・ドヨビ等。
PIANA
"Snowbird"
CUBIC MUSIC
ピアナの歌を「女の子も頬が赤くなるほど可愛い」と喩えた人がいたが言い得て妙ですね。minamoの岩下裕一郎とのカードスケッパーやWorld's End Girlfriendのヴォーカルでも知られる彼女が作詞作曲演奏録音をほぼ全て自力でこなしたソロ。切なくなります。
HORSE ING TWO = HIT
"Tilt"
TEANBEAT
アーティストとしても有名なマーク・ヴォスウィックと、プロデューサーとしても活躍中のトレヴァー・ホランドの二人によるデュオが改名して放った新作。映像的なサウンドと無機質なナレーション、生演奏、奇妙な電子音などによる、アブストラクトな音風景。
田中亜矢
"朝"
SAL DISC
OZディスクからの可憐なデビュー作に続く待望のセカンド・アルバム。誰かのために歌うことのよろこびと、誰のためでもなく歌い続けられる強さとを兼ね備えた、ほんとうのシンガーが、ここにいる。浜田真理子や彼女と同時代に生きられることは幸福だと思う。
DAVIDE BALULA
"Pellicule"
ACTIVE SUSPENSION
ゲルを送り出したフランスのアクティヴ・サスペンションから、歌ものの新人。ドリアン・ミュレールが男になったような所もある(あれほどぶつ切りではないが)グリッチ・フォーク。録音のローファイさと凝った音響工作とのミスマッチが逆に味になっている。
近況:引き続き古本サイトで若い頃にハマった尾辻克彦(aka赤瀬川原平)の著作を漁って読み直してますが、ホントに凄いです。『肌ざわり』『父が消えた』『国旗が垂れる』『出口』『雪野』『贋金づかい』、これらが全部絶版だなんて信じられません。実際、日本の大手出版社って文化遺産としての書物を余りにないがしろにし過ぎではないの?プンプン!。それはそうと舞城王太郎『九十九十九』にはズッコケました。あれでいいのか?