REVIEW/COMMENT

disc over5(スイッチ2003年7月売り号分)

リトップス
" scrypt"
HEADZ
 マウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナーのソロ・ユニット超久々のニュー・アルバムは、いきなりブラック・メタル風ノイズで幕を開け、その後もアグレッシヴに展開する意外な仕上がり。斬新な音作りに驚愕します。

V.A.
"七分間のおはなしたち"
CHILDISC
 竹村のぶかず率いるチャイルディスクの新コンピは、音と言葉による7分ずつの「おはなし」集。既発組のWATERFORM、SLOLY MINUTES、すずえり、アサオ・キクチに加えて新人も数組。物語と音響の不可能な遭遇?
 
GLIM
"Music for Fieldrecordings"
KARATE-JOE
 まったく無名ですが余りにも素晴らしいのでご紹介。オーストリアで複数のバンドに参加するアンドレアス・バーガーのソロ。タイトル通り、様々なフィールド・レコーディングに可憐な電子音が繊細に重ねられていく。

KATSUI YUJI
"Violin Solo"
MABOROSHI NO SEKAI
 ROVO他の勝井祐二が初めて録音した待望のヴァイオリン・ソロ・アルバム。すべて一発録りの即興とのことだが、時に幽玄に、時に猛々しく、刻々と表情を変えていくサウンドは、きわめて濃密で、神秘的でさえある。

V.A.
"シネマサウンドトラック-間-"
CANARIO/INPERTMENT
 架空の映画サントラをテーマとするコンピレーション。ナオミ&ゴロー、アキラ・ミズモト、アップセッツ、ソラ、サイゲンジ、カズマサ・ハシモト等、まるで短編映画のオムニバスを見るように、場面が転換してゆく。

DAVID SILVIAN
"Blemish"
SAMADHISOUND
 シルヴィアンの新作は、2人のゲストを除いて、すべての演奏を彼ひとりでこなした作品。しかもその2人とはデレク・ベイリーとクリスチャン・フェネス。だが決して奇をてらってはいない、落ちついたトーンの傑作。
 
Ett
"Ett"
COUP
 ex花電車で、現在は名古屋で活動するギタリストKeiと、ヴォーカルの西本さゆりによるデュオ、初アルバム。飾り気やわざとらしさの一切ない、素朴で愛らしいメロディと演奏、そして唄。ライヴを見たくなりました。

V.A.
"Water Green"
涼音堂茶舗
 日本的情緒を湛えたクリック・アンビエントを追求するユニークなレーベルのコンピ。12kからリリース予定のPsysEx、"-間-"にも参加していたカズマサ・ハシモト、スノーエフェクト、Cinqなど、耳が涼しくなります。
 
V.A.
"New York Noise"
SOUL JAZZ
 NO WAVE再評価の波に乗って、あのソウル・ジャズが編んだコンピ。リキッドリキッド、ESG、マーズ、グレン・ブランカ、ラメルジー、コントーションズ、デファンクト、リジー・メルシエ・デクルー、DNAなど!

DCPRG
"MUSICAL FROM CHAOS"
P-VINE
 菊池成孔'Sデートコースペンタゴンロイヤルガーデン、衝撃の大友良英脱退以前に録音されたライヴ・テイクからセレクトした2枚組。何といってもディスク1の全編「キャッチ22」5連発がスゴい、前代未聞、フェラ?

BORIS
"あくまのうた"
DIWPHALANX RECORDS/DISK UNION
 陰ながら(?)ファンのボリス、レーベルを移籍しての新作。空気を殺気立たせるようなヘヴィネスと緊張感に充ち満ちたロックンロールには、かけらほどの甘えもない。雑念抜きで一気に疾駆する30分。名曲度高し。

連続射殺魔
"王琴へのジョギング"
OZ-DISC
 現在は女装の天才ギタリスト琴桃川凛として活躍中の和田哲郎が嘗てやってた、日本のロック史上最重要バンドのひとつの音源が遂にリイシュー。こちらは「1977〜1987シングルコレクション」。創造力爆発の131分。

MELT-BANANA
"cell-scape"
A-ZAP
 いまや押しも押されぬベテランというべきメルト・バナナ。鋭角痙攣ノイズ・ギターに変幻自在のリズム隊、そして唯一無二の叫声Voは健在だが、ポップ度、エレクトロ度ともにますます高まり、異様にカッコいいです。

吉田アミ
"虎鶫"
INPRIVISED MUSIC FROM JAPAN
 祝アルス・エレクトロニカ・ゴールデン・ニカ賞受賞(コスモス+アストロツインにより)。今や全世界注目のヴォイス・パフォーマーのファースト・アルバムが登場。「声=音」のあらゆる可能性を極めた99トラック。

UI
"Answers"
SOUTHERN
 しばらく噂を聞かず、解散したのだとばかり思っていたユイの新作。基本的なスタイルは変わっておらず、タイトでグルーヴィーな骨組みに、洒落たセンスのギミックが上載せされる都会派ポスト・ロック。クールです。
 
NAO TOKUI
"Mind The Gap"
PROGRESSIVE FORM
 絶好調のプログレッシブ・フォームから、Clickery and Clack名義のシングルでも注目されていたナオ・トクイのデビュー・アルバム。フォース・トラックス・ラインの、すこぶるフロア・ライクなトラックばかり!

SIGHTINGS
"Absolutes"
LOAD RECORDS
 ブラック・ダイス、ライトニング・ボルトと来て、このサイティングス。ブラックがボアでボルトがルインズなら彼らはハナタラシなんですが。ノイズとパンクが不可解に合体した騒音インダストリアル・トラッシュ!

V.A.
"Staedtizism 4"
~SCAPE
 まもなくメジャー・デビューするポールことステファン・ベトケのスケープより、コンピ第四弾。カッパブラック、セイフティ・シザーズ、ヤン・イェリネック、アクフェン、デッドビート他による実験音響ファンク集。

BARDO POND
"On The Ellips"
ATP RECORDS
 ATPのレーベルって絶対変。こんなベテラン・アメリカン・激シブ・サイケ・バンドに手を出すなんて。フルートとエモーショナルな女性ヴォーカルが印象的なインナースペース・サイケ。美しく儚いパートカラーの夢。

矢口博康
"さよならTODAY"
FINEQ RECORDS
 古き良き80年代に大好きだった遊園地インスト楽団リアル・フィッシュをやっていた矢口博康が、なんとソロ作を発表。しかも全くといっていいほど変わりなく、端正なアレンジと優雅な曲想でうっとりさせてくれます。

近況
 夏休み特別企画(?)として、本連載の前身と同タイトル「UNKNOWNMIX RETURNS VOL.1」として5回に渡り渋谷アップリンクファクトリーで音楽講座を開きます。きっとオモシロイ筈なので、是非ご参加を!。テーマは「90年代以降の音楽について」「ポストロックの諸問題」「エレクトロニカの展開」「フリー・インプロヴィゼーションの進化」「サウンド=アートとは何か?」。詳しくはhttp://www.faderbyheadz.comまで。

Last Update : 2003/11/22