REVIEW/COMMENT

discover9

JOSH ABRAMS
" Cipher"
P-VINE/DELMARK
 11月末に来日するタウン・アンド・カントリーのジョシュ・エイブラムスがジャズの名門デルマークからソロ作をリリース。トータス&アイソトープのジェフ・パーカーに加えアクセル・ドーナーとギレルモ・グレゴリオという鬼才二管を迎えたポスト音響ジャズ。

DIRECTED BY AMEPHONE
"エスキス3/3"
AYA
 アメフォン・ディレクションの三部作完結編は、これまでのオブジェ・ジャケとは異なり紙ジャケ仕様(だが美麗カード付き!)。歌姫アヤ・コレットや注目の即興集団=行雲流水が参加し、真の意味で「無国籍的」な、摩訶不思議なサウンドを創り出している。

AMMONCONTACT
"Sounds Like Everything"
P-VINE/PLUG RESERCH
 スコット・ヘレンのイースタン・ディヴェロップメントやソウル・ジャズ等から話題作を連発してきたアモンコンタクトがファースト・アルバムを完成。ダブリーやデイダラス等とも繋がる、多彩なアイデアに富んだ、だが非常にシンプルなプロダクションが光る。

GAS TV06
"Carsten Nicokai.Interview,Audio Visual Live"
GAS DVD
 興味深いリリースを展開するGASから何とカールステン・ニコライの世界初のDVD。インタビューとライヴ・パフォーマンスの記録から構成されていて、あの幾何学的で神経生理学的な映像×音響がじっくりと味わえる。ちなみに僕もちょっとだけ出演しています。

CHOCOLA
"Chocolate Notes"
WARNER
 ショコラさんが最高傑作を届けてくれました。片寄明人はじめGREAT3の面々はもちろん、レイ・ハラカミ、スパノヴァ、高井康生、LOW IQ01、そしてなんとプレフューズ73ことスコット・ヘレンまで参加して、彼女のチャーミングな歌声を盛り立てています。

浜田真理子
"Love Song"
美音堂
 ドラマチックなタイトル・トラックを冒頭に、「ラストダンスは私に」や「アカシアの雨がやむとき」、鳥取県民謡「貝殻節」、ピアノソロを配したニュー・シングル。5曲の中で、彼女が抱え持つヴァラエティが見事に表現されている。近藤ようこのジャケも○。

ミワカタツノリ
"Love Song"
美音堂
 そしてこちらは新人ミワカタツノリによる「Love Song」「Fruitless Love」の2曲の浜田作品のカヴァーに、オリジナル1曲を加えたデビュー・シングル。女性の恋心を切々と歌っていた原曲が、澄み切った男声によって別の表情を獲得している。アルバム待望!

V.A.
"The Night Gallery"
ALCHEMY RECORDS
 アルケミー・レコードがセレクトした「21世紀を担うサイケデリック・バンド」のコンピレーション。LSDマーチ、ドゥードルス、みみのこと、手水、UP-TIGHTの全5組。日本にはJ-POPとは呼ばれ得ない音楽もあるのだということを再確認させてくれる好盤。

山本精一
"なぞなぞ"
UMMO
 まいど月刊山本精一です。今回は、初の試みとなる全編アコースティック・ギター弾き語りアルバム。羅針盤よりも更に生身の、驚くべき直截さに満ちたうた。狂気と真心、誠実さと殺伐さ、ピュアとカオスが交錯する独創的なソングス。今更ながら、やはり天才。

MOST
"Most Most"
P-VINE
 そして山本さんもメンバーのPHEW率いるリアル・パンク・バンドの新作。しょっぱなが山本作曲の「ミニマルパンク」って曲なんですが、ミニマルってのは最大の効果を最小で上げるって意味なんですよ。全体的に前作よりもポジティヴなノリに胸が騒ぎます。

V.A.
"Rock Action"
TOYS FACTORY
 モグワイのレーベル、ロック・アクションのショウケース的コンピ。まだ知名度が低い新人が中心で、ジャンルもロックからエレクトロニカまで幅広い。僕的にはいよいよブレイクの予感のセックスとフォーキーなジェームズ・オーア・コンプレックスに注目です。

SKETCH SHOW
"Loophole"
DAISYWORLD/AVEX
 スケッチショウ=細野晴臣&高橋幸宏が順調にセカンド・アルバムをリリースした。坂本龍一(冒頭に置かれた教授との共作はYMOと呼んで差し支えない秀作だ)やコーネリアス、セイフティ・シザーズも参加。テクノポップならぬエレクトロニカポップの傑作。
 
RYUICHI SAKAMOTO + DAVID SYLVIAN
"World Citizen/I Won't Be Dissapointed"
WARNER
 坂本龍一とデイヴィッド・シルヴィアンがウン年ぶりにタッグを組んだシングル。2曲とそれぞれのヴァージョンから成っているのだが、深い哀しみと微かな希望を湛えたメロディと歌が素晴らしい。池田亮司もリミキサーとして参加。アルバムも作るべきでは?

JACKIE-O MOTHERFUCKER
"Wow/The Magic Fire Music"
ATP RECORDS
 海の向こうでは話題沸騰のナゾ即興演奏バンドのレアな旧作LP2枚をカップリングしたリイシューCD。しかもリリースはあの「オール・トゥモロウズ・パーティーズ」から。たゆたうようなフリーフォームのアンサンブルが時に魔的な瞬間を孕む。注目して下さい。

くるり
"ジョゼと虎と魚たち"
SPEEDSTAR
 くるりが初挑戦した、田辺聖子原作、犬童一心監督の同名映画のサントラ。映画の方はまだ見ていないんですが、さすがはくるり、普段とは打ってかわって、複数のゲスト・プレイヤーを迎えてダビーでサウダージなサウンドに仕上げています。空気感が良いです。

EMPRESS
"The Sounds They Made"
PEHR
 555やゲオグラフィックからリリースしてきた男女デュオのニュー・ミニ・アルバム。たとえばロウの近作のトーチソング的な雰囲気が好きな人なら絶対おすすめの、儚げで清らかな歌の数々。地味といえばまったくそうなんですが、どの曲も非常に魅力的です。

V.A.
"インスピレーション&パワー"
P.J.L.
 大注目の「70年代日本のフリージャズを聴く!」リイシュー企画の第一弾リリースより歴史的名盤の誉れ高い重要コンピを代表で挙げる。吉沢元治、沖至、藤川義明、冨樫雅彦、佐藤充彦、高柳昌行、山下洋輔‥‥73年6月新宿における「事件」のドキュメント。

V.A.
"The Planet:Transport"
360°
 日本の360°レコーズとフアナ・モリーナのサポートでも知られるアルゼンチン音響派の重鎮カブサッキのセレクトによるコンピ。日本からはDJクロックやイトケン、ポトラッチ、アーキタイプ等が参加。アルゼンチン勢のファンタジックな作風も非常に新鮮です。
 
クラムボン
"imagination"
COLUMBIA/TROPICAL
 クラムボンにハズレなし。アルバム・アーティストとしての自信と確信に満ちた力作。「ポップ」という概念が抱え持つことのできるありとあらゆる表現を網羅し、更にはその概念自体を書き換えさえするポテンシャルの高さ。良い曲、良い演奏、良い音、良い歌。

JOHN CALE
"HOBOSAPIENCS"
 僕はどっちかといえばケール派です。この渋くまろやかな、人生の機微のすべてを知り尽くしたような声にはホントに参ります。レモン・ジェリーのニック・フラングレンをプロデューサーに起用して、エレクトロニカ的なサウンドをバックに朗々と切々と歌う。

Last Update : 2003/12/26