REVIEW/COMMENT

フリクション『軋轢』

 軋轢=フリクション。1980年にPASSからリリースされた、彼らの公式のファースト・アルバムである。プロデュースは坂本龍一(今から考えると意外かもしれないが、YMOとして人気の絶頂にあった80年代前半、坂本は一方でPhew、EP-4、タコなどに積極的に関与していた)。メンバーはレック(vo,b)、ツネマツ・マサトシ(g)、チコ・ヒゲ(ds)。クールかつタイト、だが極めてファンキーでもあるサウンドと、その底からふつふつと湧き上がってくる異様なエネルギーと破壊的なアナーキズムは、ポスト・パンクからノー・ウェイヴへと激しく震動していた同時期のニューヨークのシーンと明らかに共振している(レックはそのどちらにおいても立役者的存在だった)。ファンタズムを完全に否定した所から、ロック(ンロール)は果たして可能なのか?という真摯な問いかけが、ここにはある。このアルバムの後、ツネマツは画家に専念するべくバンドを脱退し、のちにE.D.P.Sとして復活することになる。
(初出:スタジオボイス)

Last Update : 2003/10/21