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radian(ラディアン)
『on dark silent off』(オン・ダーク・サイレント・オフ)

THRILL-JP 48 / HEADZ 215(原盤番号:thrill 424)
価格:[税抜価格 2,000円]+税
2016.11.11(digital:2016.10.14)

ラディアンは「ロックの進化論」を証明する
オーストリアはウィーンを拠点とするトリオ、ラディアンがオリジナル・アルバムとしては2009年の『chimeric』(日本未発売)以来7年振りとなる、新作『オン・ダーク・サイレント・オフ』をリリースする。
2014年には、元ジャイアント・サンドのハウ・ゲルブとのコラボレーション・アルバム『Radian Verses Howe Gelb』をバンドが立ち上げたレーベル(Radian Releases)からリリースし、あまりにも意外な組み合わせでファンを驚かせた。
2011年に、メンバーがステファン・ネメスからマーティン・ジーヴェルトに代わっての初のオリジナル・アルバムで、メンバー・チェンジが反映してか、今まで以上にソリッドかつ肉感的で、最もロックなサウンドとなっている。
大友良英、フェネス、デイヴィッド・シルヴィアン等と共演を重ねて来たマーティン・ブランドルマイヤーの驚異的なドラミングは更に冴え渡り、新加入のマーティン・ジーヴェルトは、トラピストやマッツ・グスタフソン等とのバンド活動や様々なコラボレーションで培って来たキャリアを生かし、変幻自在なギターのみならず、電子音響やプロセシングでも貢献、音楽的に一番(所謂)ロック的な活動を行なって来たジョン・ノーマンのベースはラウドな本作において、より効力を発揮している。
ポップグループやディス・ヒート、バトルスや、レーベルメイトで、かつてプロデュースを担当したジョン・マッケンタイア率いるトータスとの類似点や、HEADZ関連でも、sim、Optrum、空間現代、goatとも共振するプログレッシヴなサウンドメイクは深化し続けている。
単なるロック・バンドとは一線を画す、大胆かつ精密な演奏と編集が共存し、ノイズと静寂が規則的/不規則的に交錯する、ポストパンク、ポストロックのカテゴライズを更新するかのように、非常にカッティングエッジな傑作に仕上がった。
ソニック・ユースやジム・オルークとの共演で、日本でも人気の高いスウェーデン出身のサックス奏者マッツ・グスタフソンがゲスト参加。
全世界同時発売。

Discography:
『radian』CD(EP) 1998年(rhiz / rhiz 004)
『tg11』CD 2000年(Mego / rhiz 001)
『rec.extern』CD/LP 2002年(Thrill Jockey / thrill 113)
『juxtaposition』CD/LP 2004年(Thrill Jockey / thrill 147)
『chimeric』CD/LP 2009年( Thrill Jockey / thrill 224)
『radian verses howe gelb』CD/LP 2014年(Radian Releases / RR 001)


radian(ラディアン)『on dark silent off』(オン・ダーク・サイレント・オフ)英文資料訳

ウィーンの有力なエクスペリメンタル・バンド、ラディアンは、マーティン・ブランドルマイヤー(ドラム、エレクトロニクス)、ジョン・ノーマン(ベース)、マーティン・ジーヴェルト(ギター、エレクトロニクス)のトリオである。彼らはウィーンから影響を受け、2000年代初頭には、その都市の電子音楽(エレクトロニカ)の活気溢れるシーンを形成した。ウィーンは現在では、多くの新たな音楽の作曲家やイノヴェイター達に広く開かれたクリエイティヴの発祥の地となっている。今日では、ラディアンのメンバーは、そのコミュニティの支柱(中心人物)となっている。
『オン・ダーク・サイレント・オフ』は、高い評価を得ているサックス奏者、マッツ・グスタフソンのゲスト・パフォーマンスがフィーチャーされ、ギタリストのマーティン・ジーヴェルトが参加してから初のラディアンのアルバムとして特徴付けられている。このアルバムは2010年代前半から制作されてきており、それぞれのピース(楽曲)は長い期間をかけて、細心の注意を払って巧妙に作り上げられ、再構築された。デビュー・トラックの「scary object」(推し曲としてThrill Jockeyのサイトでは先行フル試聴、iTunesでは先行販売された)は、ベン・ラッセル(Ben Russell)の『Trypps』シリーズの一環の、映画へのライヴ・スコアとして、その生命が始まっている。「scary object」はラディアンの特徴的な生き生きとした共存(ダイナミクスのブレンド)、非伝統的な楽器の音色によるパーカッシヴなグルーヴをフィーチャーしている。
アルバムのタイトル『オン・ダーク・サイレント・オフ』はトリオ(ラディアン)にアートと理論で影響を与えたAd Reinhardt(アド・ラインハート)に賛同している。
ラディアンの作品の中には、(オン・オフのような)極端な並列が存在している。光と暗闇、音楽的なタームで言えば、サウンド(物音)と静寂、音色の鮮やかさと不明瞭さ、というコントラスト(正反対のもの)がある。
ラディアンは、極端なダイナミクス(動態)、自由で即興的なパーツと細部まで行き届いた構造、の間の緊張関係の領域や、柔らかい音とシャープな編集という本来備わっているコントラストを創造する。ラディアンのレコーディングや創造のプロセスは、作品群を形成する上で、中心的な役割を担っている。それは即興を通しての素材を創造する二重の行程である。一方では音の実験(新機軸)やプロセッシング(加工)、他方ではこの素材の編集や慎重に選択するという型にはまった行動。単なる断片が、音の素材の通常の使用用途以外で使用されていることがしばしばある。瞬間的で、自発的なライヴ・パフォーマンスの魔法と、それに続く注意深い構築のコントラストが、それらの作品のクオリティを形成する。
ラディアンは、音楽的な加工の副産物として見なされるようなサウンドに取り組んだり、副産物をその作品群に取り入れることを好む。ギターのソケットにケーブルを差し込む音、スイッチやハムの音、ベースの弦での指のタッピングの音、もしくはギターの二つのコードの間を滑らかに演奏する手の音。それらのサウンドは消去されたり、隠されたりせず、しばしば作品の主要な要素に変更される。5曲目の「blue noise, black lake」は、ラディアンが録音したマッツ・グスタフソンによるサクソフォンのパッド(タンポ)の演奏のサンプリング音を中心に構築されている。ラディアンは一般的にはより見落とされがちなサウンドにズームをあてるように「マイクロスコピック(顕微鏡的)」なレコーディング方法を採用している。6曲目の「codes and sounds」でのように、スネア(響線)に取り付けられたブランドルマイヤーのクロテイル(チューンドパーカッション)による、硬質なガラガラいう音、シンバルの美しさや豊かさ、アコーステック・ギターの静かな演奏と入念な録音。
2曲目のタイトル曲「on dark silent off」はオーストリア人のフィルムメーカー、ペーター・チャーカスキー(Peter Tscherkassky)の『Outer Space』から着想を得た。『Outer Space』は、優れた技量のモノクロのコラージュで制作されたファウンド・フッテージの手法によるホラー映画である。ラディアンは、美しく、歴史的な劇場Gartenbau(ガルテンバウ)での、ウィーンの国際映画フェスティヴァルで、35ミリのライヴの映画の投射と同時に、「on dark silent off」の初期の原型で初披露した。アルバム・ヴァージョンは、その初演から変換されたにも拘らず、その雰囲気や、ちらつく明かり、『Outer Space』の不可解さは、まだその作品の中に存在している。
これは一つの特徴です。アルバムはまた、いままでよりも、より直接的で、より肉体的な演奏をするラディアンを発見することができる。これは、彼らの最近のライヴ・ショーの最大の呼び物になっている1曲目の「pickup pickout」、7曲目の「rusty machines, dusty carpets」のような作品が収録されているという事実から来ているのかもしれない。『on dark silent off』は全体的にユニークなグルーヴがあり、極めて個性的で音楽的な声明である。
マーティン・ジーヴェルト(ドイツのザールブリュッケン出身)は2011年にラディアンに参加した。彼はレンジの広いギタリストである。その上、(ブランドルマイヤーとジョー・ウィリアムソンとの)トラピスト(Trapist)、(マッツ・グスタフソンとdieb13との)トリオのFake the Facts、(Steve Heather、Boris Hauf、Christian Weberとの)四人組のThe Peeled Eyeのようなバンドでの活動をしながら、彼は近年、新たな音楽の文脈、数ある中でも、Uli Fussenegger (Klangforum Wien), Ernesto Molinari、やJorge Sanchez-Chiongのような人たちのパフォーミングで、数多く演奏しており、忙しくしている。2016年4月にはピアニストで作曲家のKatharina Klement (Hoverload)とデュオのレコードをリリースしている。そして2016年7月には、ドラマーのKatharina Ernstとのデュオ、Alsoをリリースしている。
マーティン・ブランドルマイヤーは即興音楽や作曲活動に従事している。彼は大友良英、ジョン・ティルバリー、クリスチャン・フェネス、デイヴィッド・シルヴィアンやそれ以上多くのミュージシャンと演奏やレコーディングを行なっている。彼は最近、作曲に集中し、さまざまなアンサンブルを作曲している。彼は近年、Ecotoneと呼ばれるErikMとのデュオとして演奏したり、Polwechselやトラピスト(ジーヴェルトやジョー・ウィリアムソンとの)のメンバーとして、演奏したり、何枚かのアルバムをリリースしたりしている。 
ジョン・ノーマンはスウェーデンのヨーテボリで生まれ育って、90年代半ばにウィーンに移り住む前には、北イタリア、スコットランドのグラスゴー、オーストリアのインスブルックに住んでいた。彼はラディアンに参加する以前には、メタル、パンク、インディー・ロック・バンドでベースを演奏していた。彼はまた、Snoww Crystalと呼ばれるシューゲイザー・バンドで、ギターを演奏し、歌唱している。


【収録曲】

1. pickup pickout  5:45
2. on dark silent off  9:22
3. scary objects  5:30
4. recreate loved objects  3:43
5. blue noise, black lake  6:23
6. codes and sounds  3:14
7. rusty machines, dusty carpets  13:46




martin brandlmayr (drums, vibraphone, electronics), martin siewert (guitars, lapsteel, electronics, guitarrón, processings), john norman (bass)
saxophone on padlooper by mats gustafsson
all music by radian
recorded, constructed, and mixed by martin brandlmayr and martin siewert
except rusty machines, dusty carpets by brandlmayr / norman / siewert
mastered by martin siewert
produced at garnison7, vienna


 


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