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Jim O'Rourke “MIZU NO NAI UMI”
ジム・オルーク 『みず の ない うみ』

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2003年にジム自身が既に忘れていた1986年から1991年の間に録音していた音源を収録したテープが沢山詰まった箱を発見した。
その中で、1990年に録音された音源からピックップしたオリジナル・ヴァージョンと、2003年にその曲をティム・バーンズ(ジムのバンドのドラマーで、プルマン、渚にて、The Essex Green等作品にも参加。自身のレーベル、Quakebasketでも有名)がクロテイル(古代エジプトからギリシャを経て伝わる、祭事用の小型シンバル)で、カレン・ワルタック(ウィルコの『ア・ゴースト・イズ・ボーン』やジムが現在プロデュース中のべス・オートンの新作にも参加しているヴァイオリン/ヴィオラ奏者)がヴィオラで参加し、ニューヨークのルーレットでレコーディングしたライヴ・ヴァージョンの計2曲を収録したものが本作である。
フォルケ・ラーベ、フィル・ニブロック、ラファエル・トラルの作品に通ずるジェントルで美しいドローン・サウンドは今聴いても全く色褪せない。
●世界流通商品
1. みず の ない うみ (original version) 38:36
2. みず の ない うみ (live version) 39:20
total time 77:58
 ヘッズが本格的なレーベル活動を開始した二年半当初から、いつかジム・オルークのリリースが出来たらと思っていた。
 もちろんジムはドラッグ・シティの所属アーティストなので、通常のアルバム(というもの自体がもう数年出ていないわけだが)の国内盤は契約上、出せないわけだが、僕には幾つかのアイデアがあり、それらを小出しにしてジムに伝えては敢えなく玉砕する、ということが続いていた(彼は意外とリリースについては慎重なのだ)。
 とはいえジム自身も僕らのレーベルから作品を発表することには意欲的になってくれて、リリース出来そうな音源が何度か届いたりもしたのだが、諸般の事情でそれもなかなか実現されず(今後はありえますが)、あっという間に月日は流れた。
 そんな折、1990年頃にレコーディングされたまま紛失してしまったと本人も思っていたというミニマル的な楽曲群のテープが突然発見された、ということで、ジムから何枚かのCDRが送られてきた。それらを一聴して僕は興奮した。ほぼすべてがオルガンとオシレイターのみで作られた、この当時のジムの数々の実験的な作品と較べても(ジムは80年代末より世界中のノイズ・エクスペリメンタル・レーベルから怒濤のリリース・ラッシュを始めていた)、非常にドローン的な作風であり、静謐さの中にも時にエレガントな、時にスリリングな変化が伺える、タイムレスな魅力を持った素晴らしい音楽だったからである。僕はすぐに感想と是非リリースしたい旨をジムに書き送り、その後何度かのやりとりを経て、遂にリリースに至ったのが、この『みず の ない うみ』というわけである。
 ジム・オルークの数多いリリースの中でも、まちがいなく最も美しい作品のひとつだと自信をもって言い切れるこのアルバムを、われわれのレーベルからリリース出来ることを、僕は心から誇りに思っている。

佐々木敦

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