interview with Tim Rutili 3

――キャリフォンの音楽は、メロディ、言葉、演奏、音色などもすべて含めて、非常にユニークで、さまざまな音楽的要素を垣間見ることができるのですが、自分達自身で、キャリフォンのサウンドを形容するとしたら、どんな言葉を与えますか?
「説明するのは難しいよ。僕らはこの音楽を作ることによって、自分たちの身体を探してるようなプロセスなんだ。だから、この音楽は自分たちの源を探してる音楽なんだ。フォーク・ミュージックだよ」

――自分たちのアイデンティティを探そうとしてるということですか?
「そうだね。それに、音楽がどこから生まれてくるのかを探し当てようとしてるんだ。そして演奏していて心地いい音楽を探し求めてるんだ」

――じゃあ終わりのないプロセスなんですかね。
「そうだね。まあいつかは終わることを願ってるよ(笑)。自分にとって心地いい音楽が見つかることを願ってる。でもこの音楽では「探求」が大事だね」

――共感できる、または過去に影響を受けたミュージシャン、バンドなどは?
「バンジョー・プレイヤーのドック・ボッグズが好きだし、ボブ・ディランはよく聴いてる。特に『地下室(ザ・ベースメント・テープス)』を最近よく聴いてるよ。メンバー全員がマイルス・デイヴィスとローリング・ストーンズが大好きで、それは僕らの音楽に反映されてると思う。フレイミング・リップスはすごく好きで、彼らからインスピレーションを受けるよ。いろんな人がいるね。僕らはよくビョークの真似をしようとするんだけど、そういう音にはならないんだ(笑)。結局自分たちのサウンドしか出てこないんだ(笑)」

――じゃあスタジオでわざと何かの真似をしようとするわけですか(笑)?
「そうだね。まあギャグでやってみるんだ。ドイツのカンもよく聴いてるよ。彼らのような演奏をよく試みるんだけど、成功しないんだ(笑)。単に自分たちが下手なのかもしれない」

――キャリフォンの他にもメンバーが関わるいろいろな別ユニットがありますが、いつでも幾つかのプロジェクトを並行させているんですか?
「そうだね。それでうまくいってるよ。みんな時間を作って、他のプロジェクトも
やってるんだ」

――あなたがた自身のペリシャブルがありながら、スリル・ジョッキーに移籍した理由は?
「もっとツアーをする時間が欲しかったんだ。音楽に集中したかったんだ。前回は、自分たちでリリースしたときは、ツアーをするのが大変だった。ビジネスと音楽を同時にするのが難しかったんだ。スリル・ジョッキーは素晴らしいレーベルだし、彼らと仕事をしてみたかったんだよ」

――ペリシャブルの運営も続けていくんですよね? レーベル・ポリシーのようなものがあったら教えてくれませんか、また今後のリリース予定は?
「今後もペリシャブルを続けるし、そこからキャリフォンのレコードも出すし、ジョーン・オブ・アークのレコードを出す。何年も前にロフタスというプロジェクトをやったんだ。レッド・レッド・ミートのメンバーと、レックスのメンバー、それにバンディ(ケン・ブラウン)によるプロジェクトだった。それをペリシャブルから出したんだ。8人によるユニットだったけど、参加した人は全員それぞれのプロジェクトをやってた。フィル・スピリトはオルソーをやってたし、ダグ・シャリンはヒムをやってたし、僕はキャリフォンをやってたし、ティム・ハーリーはシン・ローパスをやってた。一緒に作業してたし、そこから発展しはじめたんだ。それのためのホームが必要だったからレーベルを始めたんだ。オルソーのレコードも出す予定だよ。そういえばティム・キンセラはレコーディングしまくっていて、ジョーン・オブ・アークのレコードをもう1枚完成させてるし、エヴリーワンというバンドもやってるんだ。彼とリズ・ペイン(タウン・アンド・カントリー)がやってるんだ。クリス・コネリー(元ミニストリー)もエヴリーワンのメンバーだよ。素晴らしいポップ・ミュージックなんだけど、僕らのスタジオでレコーディングされたんだ」

――エンハンストCDとしてブレント・グリーンという人による「フランシス」という映像が収録されています。これについて、なぜこの映像を収録したのかを聞かせてください。
「アルバムのレコーディングをやってるのと同時期にあの映像の音を作ったんだ。映像のストーリーは、ユーモアがあるんだけどダークで、僕らの音楽に似てると思ったんだ」

――あなたたちは、確かファースト・フル・アルバム『Roomsound』でも映像を収録していたと思います。
「それはある工場で僕らが演奏していた映像だよ(笑)」

――昔、あなたとベンはサブ・ポップに所属していたバンド、レッド・レッド・ミートの主要メンバーでもあったのですが、彼らは解散してしまったのですか?
「自然にあのバンドをやらなくなってしまったんだ。でもキャリフォンをやりはじめたときに、同じメンバーで最初の2枚のEPを制作したんだ。メンバーは今でも仲がいいんだ。顔を合わせすぎなくらいだよ」

――レッド・レッド・ミート時代の思い出やサブ・ポップについて何かエピソードがあれば教えてください。
「いろんな意味で良かったし、いろんな意味で悪かった(笑)。おもしろいエピソードはあまり思い出せないな(笑)」

――サブ・ポップ、ペリシャブル、スリル・ジョッキー、あなたの経験値によるそれぞれのレーベル・カラーの違いも教えていただければと思います。
「今は、自分たちがどんな音楽を作って、それがどうやって売られるかっていうことに対して、自分たちの意見が反映されるんだ。それは素晴らしいことだよ。サブ・ポップのときは、何が行われてるか分からなかった。まだ僕らはビジネス面の経験がなかったし、コミュニケーションの問題もなかった。でも今はすべての面で改善されたよ。今のほうがいい音楽を作ってるし、ビジネス面も良くなってる」

――ではキャリフォンとしての今後の予定を教えてください。
「『Deceleration Two』というレコードを完成させたんだ。フィルム・ミュージックのために、即興で演奏したインスト作品なんだ。去年、そのvol.1を出したんだ。それ以外はツアーをやるよ」

――結構、映画音楽をやってるんですか?
「これからもっとやりたいんだよ。シカゴの監督が多いんだ。僕らはあるシカゴの監督の映像作品のために音楽を提供したんだ。CDのエンハンスト部分に入ってる音楽は、「フランシス」のために作ったものなんだけど、それをさらに発展させたものなんだ。僕らは、1922年の映画『サロメ』をバックで流して演奏したことがあって、その音楽も含まれてる。そのライブ・レコーディングだよ」


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